La cadetta Yumikko

ソプラノ歌手 森有美子 オフィシャルブログ

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近況報告その2 コンサート

10月から12月にかけては重要なコンサートがいくつかありました。

画像1こちらは「Affetto~アッフェット~」と題したバロックコンサート。1600年代初期のイタリアバロックを中心に、パーセルやバッハなども織り交ぜてプログラミングしました。

モンテヴェルディの名曲にして難曲「Lamento d'Arianna~アリアンナの嘆き~」5声のマドリガーレにもチャレンジ。これは本当に難しかった。。。途中イタリアバロックのスペシャリストのSさんのレッスンを受けなかったら崩壊していたかもしれません(笑)。実はGPまでうまくいかない箇所がいくつかあって(アカペラなのでどこかのパートの出だしの音程が少しでもずれるとその後の取戻しがとても難しい曲なのです・・・)、かなりドキドキな本番だったのですが、本番はすごく集中して奇跡的にうまくいきました…!今だから告白すると、もう本番の何週間も前からこの曲のことを考えただけで緊張してうまく寝られない夜もあったくらい(笑)。

今回は本格的なバロックには初挑戦というメンバーがほとんどだったため、まずバロック音楽の様式とか装飾音の付け方とかそういったところからの説明から入らなくてはならなかったのですが、皆さん勘がとても良く、最初はいろいろなことに苦労したり、混乱していたものの、本番までにはきちんとその様式をある程度マスターしてしっかり魅力的に演奏していたのにはさすが!でした。

私は常に、バロック音楽が何か特殊な技術が必要なのではと敬遠されていることに疑問を持っています。バロック音楽というのが何かノンビブラートな声でただただ癒し系のものと思われていることにも。バロック、特に1600年代のイタリアのバロック音楽はロマン派のオペラなどよりよほどどろどろして熱い歌詞や音楽が用いられているのです。なので、今回のように普段オペラなどをレパートリーとしている歌手たちがガツンとバロックを歌ったらきっとすごく魅力的だろうと思っていたので、その夢が叶ってとても嬉しい。これからもこのシリーズをどんどん続けて、バロックの熱さを知ってもらいたいと思っています。

画像1こちらはいつもお世話になっているバリトン歌手の田中さんのディナーショーにゲスト参加した時のもの。私は中田喜直さんの歌曲とドンパスクワーレのアリアとデュエット、その他日本の歌などを歌わせて頂きました。

お琴の方もゲストにいらしていたので、一緒にクリスマスソングを演奏したり。三味線とお琴のための曲を三味線とキーボードにアレンジした曲の披露などもあり、会場もすごく盛り上がりました!

さて、私の歌った中田喜直さんの歌曲「歌をください」ですが、この詩は今のこの震災後の時代にあってとても心に響きました。もちろん中田さんの曲も素晴らしく、最初の頃は歌うのに涙をこらえなくてはならなかったほど。

「歌をください」

作曲:中田喜直作曲
作詞:渡辺達生

私に歌をください 希望の歌を 
悲しみを勇気に変える 苦しみを慰めに変える
そんな歌をひとつ私にください

私に歌をください 平和の歌を
憎しみを祈りに変える あざけりを微笑みに変える
そんな歌をひとつ私にください

私に歌をください 実りの歌を
あやまちを恵みに変える つまづきを豊かさに変える
そんな歌をひとつ私にください

一度しかない人生
ひとつしかない命
大切に育てたい
愛の歌うたいながら

そして時が至れば 静かに静かに
この世を立ち去ろう

美しい思い出と感謝の言葉
胸に秘めて

**********************

実はこの本番のちょっと前に、突然いろいろな疲れが出たのかひどい風邪をひいてしまって。。本番を無事に迎えられるのかすごく不安な数日を過ごしたのですが、共演者の皆さんや師匠に”絶対大丈夫!”と励まして頂き、力を得て無事に本番を終えることができました。そんなこともあって、この歌はまた更に自分の心に響いた、思い出深いものとなりました。

画像1こちらの本番は混声4人とピアノ、コントラバスという編成のクリスマスコンサート。作曲家の友人による全曲彼女の新曲、またはアレンジというもので、この彼女の作り出す作品たちが本当に素晴らしかった!!特にラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」にフランス帰りの声楽家の友人がフランス語の歌詞を付けたというスペシャルアレンジは本当に素晴らしく。。。その他初めて歌った黒人霊歌はそれぞれのパートが1曲ずつソロを持ちまわったのだけれど、それぞれのキャラクターにぴたりと合った選曲、そしてまたアレンジの良さが煌めく、本当に歌っていて気持ちの良い曲たちでした。

このコンサートも体調は万全とは言えず、、自分的には精神的にかなりいっぱいいっぱいだったけれど、でもそれにより逆にすごく音楽に純粋に身を任せられたかなとも思っています。私はどうしても本能的に、声を聞かせようと思ってしまう傾向にあって、作曲家や曲の意図よりも自分の声の調子を優先させてしまうことが多いのだけど、まず大切なのはその作曲家の思いですよね。どんな時代にあっても。

この2つのコンサートは、本当に作品たちや共演者たちに助けられましたね。コンディションを整えられないのはプロとして駄目なことだけど、でもこればかりはどうにもならない時もあるし、なぜか本番前ってコンディション崩すものなのですよね(笑)、私だけでなく、一般的に。その時に、そこからどうするか。もうできる限りのことをして、できるだけのベストを尽くすしかない。これからだっていくらでもそんな機会はあるだろうから。その時にへこまずに、ひたすら自分の心と体を信じる、そんな時こそ音楽に身を任せる。辛かったけど、いい経験になりました。
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プロフィール

Yumiko Mori

Author:Yumiko Mori
森有美子(ソプラノ)http://twitter.com/yumikomori
東京音楽大学声楽演奏家コース卒業。東京音楽大学卒業後、東京芸術大学音楽学部声楽科を経て2002-03年度ロータリー財団国際親善奨学生としてイタリア・ローマのAccademia Internazionale di Musicaへ留学。帰国後、東京芸術大学大学院古楽科バロック声楽専攻修士課程に入学。特にバロック初期のイタリア音楽を専門に研究し、修士課程を修了。宗教曲、バロック音楽からオペラ、現代曲の委嘱作品の録音など幅広いレパートリーをこなす。2010年には金子みすずの詩集による歌曲集「わらひ」(久保田翠作曲)CDもリリース。また、デュオアンサンブル「Gemelli」、トリオアンサンブル「La Musica Secreta」、リコーダーアンサンブル「Ederebivere」などを結成、様々なタイプのアンサンブル活動にも力を入れている。日本ヘンデル協会、日本イタリア古楽協会会員。趣味は美味しいものを食べること、いろいろなお菓子を作ること。将来、カフェを併設したコンサートサロンを経営するのが夢。

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